今回紹介するオネストファーマーは山形県東根市で「いちご生産一筋」の
村上大蔵さん、瑞菜さんご夫妻です。
村上さんはさくらんぼなどを栽培する農家に生まれ、15年前に就農しました。当時、まだ夏いちごを栽培する農家は少なく、それに目をつけたお父さんが栽培を始めました。父に師事し技術を習得、10年前に独立しました。
今ではケーキ屋さんなどで使う四季成いちご「すずあかね」を年間約7トン出荷しています。
「いちごの出荷を切らさないよう、着果制限などの生育管理に気を使い、安定した生産を心がけています。」いちご一筋15年。父から受け継いだ技術が、今では村上さんオリジナルの確信となっています。
主な出荷先は県内や福島県のケーキ屋さんなどです。近年、山形でもいちご農家が増えましたが、主に関東や関西などの都市圏に出荷されています。朝採れたてのいちごを、その日のうちにお店に納品できる村上さんは、貴重な農家さんとして喜ばれています。
「ケーキ屋さんからは真っ赤に色づいた完熟を求められます。いちごは扱いがデリケートな上、完熟はさらに気を使いますけどね。山形で生まれたいちごは地元のケーキ屋さんで使ってもらいたいじゃないですか(笑)」出荷先から喜んでもらえた時、自然と笑顔が溢れるそうです。
夏いちごが軌道に乗り10年の節目に、新たなチャレンジを始めました。「食べてる人の笑顔が見たくて、食卓に直接届く、甘いいちごを提供したいと思うようになったんです。」生食用の『とちおとめ』の生産です。
そして、村上さんは既にこれが軌道に乗る数年後の目標を見据えています。
農業と観光です。
「まずは地元山形県民に喜んでもらえる事を考えています。県内にはその需要がまだまだあります。」村上さんは生産者であるとともに、農業をビジネスと捉えています。いちご生産を一歩一歩着実に進め、次への展望に向かい今日もいちご畑で汗を流します。
聞き手コメント
作業小屋の扉を開けると始めに私の五感を刺激したのはいちごのあま〜い香り。自然と顔が緩みます。私が挨拶をすると、村上さんの元気なお声の挨拶と満面の笑顔とが返ってきました。いちごの香り効果でしょうか。(笑)
この日は35度を超える猛暑日。出荷のピークを迎える7月〜8月のハウス内は気温40度近くになるそうで過酷な環境です。
今日も甘いいちごをいただける裏では大変な思いで栽培する農家さんがいるのだと改めて思い知らされました。
今日も感謝感謝です。